楽譜のスタイルいろいろ・・・写譜、浄書

楽譜の読み方・書き方入門では、鉛筆、シャーペン、ボールペンなどの普段使う筆記用具を用います。音楽記号を書く五線紙の線の太さや間隔なども、あまりこだわりません。原稿用紙に文章の草稿を書くのと同じような感覚で、五線紙に音符を書く、実用的な楽譜の書き方を目指しています。書きやすい方法で、音楽記号も万人がその記号であると認められれば良く、簡潔に、短時間で書ける方法を優先します。したがって、楽譜の美しさや、記号の歴史に基づいた正確な書き方には、こだわりません。

このような実用的な楽譜とは異なり、お店で売っている楽譜は、音楽記号の形は美しく、記号の配列も整っております。総譜(スコア)でなくとも、パート譜は演奏しながらもページがめくりやすいように、小節の幅や数が設計されています。いつも当たり前のように使っているかもしれませんが、こうした市販の楽譜は、写譜屋、浄書屋という職人さんが制作、製作しています。

浄書屋さんの作る楽譜・・・芸術的な楽譜を志向

浄書屋さんは、見やすく、美しい楽譜を作る職人さんです。音楽記号を美しく、見栄えを良く、目に負担がかからぬよう、そしてページめくりに不都合が起きないようにする技術や、判子、定規、インク、専用ソフトなどの専門の道具を兼ね備えて芸術的な楽譜を制作します。

写譜屋さんの作る楽譜・・・実用的な楽譜を志向

写譜屋さんとは、お客さんが求めているレイアウトで、既存の楽譜を写す職人さんです。管弦楽編成や吹奏楽編成の作品をパートごとに書き写すこともしています。腕を上げれば上げるほど、より見やすく、迅速に、使いやすく、きれいに仕上げることができます。

職人さんに楽譜をお願いする

浄書は芸術的、写譜は実用的な志向があるのではないでしょうか。ただし、この両方の境界ははっきりしているものではありません。浄書屋さんも実用的な楽譜やパート譜を作ることもできますし、写譜屋さんも美しい楽譜を作ることができます。

ホームページを持っている会社や職人さんも多数おられますので、お願いしてみましょう。

←前の記事に戻る ↑記事の上に戻る
     
ホームに戻る